30代から始める日々の備忘録

30代エンジニアが送る、モノづくりの面白さとTips講座

①はじめに:3Dプリンターとは

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①はじめに:3Dプリンターとは

モノづくり業界では3Dプリンターへの注目度が高まっています。以前から存在する技術ではありますが、技術の進歩・実用性の向上が進んでいます。私もモノ作りが好きで、本技術について学ぶ機会がありましたので、備忘録として自分なりにまとめてみました。

はじめに

3Dプリンターとひとことで言っても、個人向けの小型機から、産業用の大型機まで幅広いサイズのものがあります。造形材料も樹脂、硬い金属やセラミックまであり、造形原理も様々なタイプがあります。本記事では、復習のために学んだ知識を自分なりに整理してみました。

また、3Dプリンター技術の活用・普及のために3Dプリンター活用技術検定というものも実施されています。公式ガイドブックでは3Dプリンターに関する情報が網羅的に記載されており、非常に参考になりました。

 

3Dプリンターのブーム

これまにでも3Dプリンターは幾度かのブームを迎えてきましたが、近年は個人向け低価格機種の普及、WEB公開されている3モデルの充実などが進んだと言われています。

 

3Dプリンターの特徴

付加製造(Additive Manufacturing)と除去製造(Subtractive Manufacturing)

3Dプリントは付加製造AMAdditive Manufacturing)や積層造形と呼ばれます。イメージとしては輪切り(スライス)された3Dデータの設計図に基づいて、材料を層ごとに付け加え・積層していき、立体的な製品形状にします。対して、切削加工のように材料を削ることで製品形状にするものは除去製造と言います。

付加製造とは

付加製造は除去製造よりも実現できる形状の自由度が高く、例えば中空やハニカム構造等を一体物として作ることができます。積層時に造形体を支えるサポートと呼ばれる部分が一部必要な場合があり、造形完了後に除去します。また、造形できる材料の種類は限られています。粉末を造形材に用いる場合は、粉末形状や粒度の最適化が必要です。また、寸法精度や造形時の緻密性に限界があります。

除去製造とは

除去製造とは材料を削り、目的の製品形状に加工することです。例としては切削加工や放電加工などがあります。加工で除去した部分は通常廃棄されます。除去製造では複雑形状の加工は難しく、時間やコストがかかったり、個別パーツに分解・加工後に組み立てる必要があります

その他の加工と比較

このほか、鋳造、プレス加工等の型を用いた加工では、目的形状ごとに型を作製する必要があります。型の作製に時間がかかったり、作製費用が高い場合、型を用いた加工は少量多品種の製品加工には適しません。一方、付加製造では型を必要としないため、このような従来加工法に比べ、製造時間やコストを押さえられる可能性があります。

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付加製造の使い分け

製造するものの個数やコスト(形状複雑さ、製造時間など)を勘案し、付加製造を採用した方が良いかをどうか判断します。また、既存の加工法と付加製造を組み合わせても有効的かもしれません。例えば、付加製造は表面粗さや寸法精度に限界があるため、仕上げ加工として、表面を切削加工する場合もあります。また、単純形状や大物品は既存の製造加工法で作製し、複雑な形状部のみを付加製造するといったことも効果的かもしれません。

 

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