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⑥液槽光重合(光造形)について

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⑥液槽光重合(光造形)について

3Dプリンターについて学ぶ機会がありましたので、備忘録として自分なりにまとめてみました。今回は液槽光重合(光造形)の特徴をご紹介します。

液槽光重合(光造形)

液相内に貯めた光硬化樹脂に特定波長の光を照射することで、樹脂を重合硬化・積層していきます。液槽の上から光を当て積層造形していく「自由液面法」と、液槽の底面(ガラス面)から照射する「規制液面法」があります。

 自由液面法では液槽内のテーブルの上に固定された造形体に対して、上から光が照射され、テーブルが下の方に一層分下がり、硬化した面が液面下に浸ることで、未硬化の樹脂が造形面に供給されます。この時、液面が均一に充填されていないと、きれいな造形体が得られないので注意が必要です。また、造形完了後のモデルは液相に浸っているため、モデルを取り出して、残留樹脂を溶剤で洗浄、さらに二次硬化します。その後、サポート部を切り離し、表面研磨します。

一方、規制液面法では液槽内のテーブルの下に固定された造形体に対して、下から光が照射され、テーブルが上の方に一層分上がり、硬化した面と液槽底面(ガラス面)の隙間に未硬化の樹脂が供給されていくため、造形面は常に均一になります。しかし、造形体のサイズが大きいと、テーブルが上がるにつれ、造形体が自重で崩れたり、Z軸方向の寸法がズレることがあります。策としてはサポート部を付与しますが、後で除去が必要となります。

光の照射方法はレーザー光を走査(走査速度は可変ですが、露光に時間がかかる)するものと、積層面に対してプロジェクターで光を全面照射するタイプがあります。

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材料例

特定波長の光に反応して硬化する光硬化樹脂が用いられます。光硬化樹脂はラジカル反応を用いたアクリル系樹脂(反応早く、収縮率大)とカチオン反応を用いたエポキシ樹脂(高い硬化率と吸湿性大)に大別されます。 具体例としてはABSライク樹脂、高透明性、高耐熱性、高靭性樹脂、フィラー複合樹脂などがあります。

 

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